五社神社【大阪市・西淀川区】
大阪市西淀川区にある五社神社は、地元の方から「くさ神さん」と呼ばれて親しまれてきた、やさしさに包まれた神社です。
そのユニークな愛称は、江戸時代の神主が神さまから「人々の病を癒す」とのお告げを受けたという神託に由来し、実際に多くの方がご利益を授かったと伝えられています。
また、昔は農作業を手伝ってくれる牛たちに感謝を込めてお参りをするあたたかな風習もあり、地域に根ざした暮らしの中で大切に守られてきました。
今も静かな境内には、そんなやさしい空気がそっと流れています。
心がちょっと疲れた日には、五社神社で自然のざわめきに耳をすませながら、そっと深呼吸してみてください。日々の忙しさをふわっと忘れられる、そんな癒しの時間が流れています。
「くさ神さん」と親しまれた癒しの社へ
都会のにぎわいから少し離れた、静かな住宅地にひっそりと佇む「五社神社」。
中島新田が開発された元禄時代(1688年頃)に創建されたと伝わる、地域に深く根づいた神社です。
地元の方には、昔から「くさ神さん」と呼ばれて親しまれてきました。
そんなちょっとユニークな愛称には、とあるやさしい伝説が隠れているんです。
夜の神託から生まれた “くさ神さん” の伝説
江戸時代、文化・文政のころ。この神社を守っていた城島常則(じょうじま つねのり)という学識ある神主さんが、ある夜ふしぎな夢を見たといいます。
夢に現れた神さまはこうお告げになりました。
「この世に住む人々の病、悪しき腫れ物(くさ)をすべて癒やすであろう」
この神託のあと、実際に病の平癒を願う人々が訪れ、多くの方が癒されたことから、
人々はこの神社を自然と「くさ神さん」と呼ぶようになったのだとか。
牛たちにも感謝を込めて。あたたかな風習
もう一つ、この神社にまつわる心あたたまるお話をご紹介。
かつて、地域では農作業を助けてくれる牛に感謝する風習があったのだそうです。
5月の節句の日になると、農家の人たちは耕牛の首に縄を飾り、五色の幣を立てておめかし。
「今日はゆっくり休んでね」という気持ちを込めて牛たちを神社へ連れて行き、お参りをしたそうです。
境内では「ちまき」を広げてほっと一息。昭和初期までは、こんな穏やかで優しい風景が広がっていたのです。
静かな神社で、心も体も“ふわっ”とリセット
今ではその風習は見られなくなりましたが、五社神社には今もやさしい空気が流れています。
誰かや何かのためにがんばる日々の中で、ふと立ち寄ってみたくなる場所。
きっとここには、心の疲れをふわっと癒してくれる“見えない手”があるのかもしれません。
忙しい日常の合間に、お散歩がてら足を運んでみてください。
木々のざわめきとともに、やさしい神さまが迎えてくれるはずです。
- 天照皇大神
- 豊受皇大神
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- 加具土大神
- 家内安全
- 五穀豊穣
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