朝の光が似合う神社、加美の「旭神社」へ
大阪・平野区の静かな住宅街。小道を歩いていくと、東向きに並ぶふたつの社殿が見えてきます。
そこは、地元で長く愛されている「旭神社」。すぐ隣には「若宮八幡宮」もあり、
ちょっと贅沢な“二社詣り”ができる、やすらぎのスポットです。
はじまりは、光り輝く「橘」から
旭神社の歴史は、なんと天平五年(733年)までさかのぼります。
当時、風雨が続いて人々が困っていたとき、ある古老が「橘の実を流せ」とお告げを受けました。
そして、その橘が流れ着いた場所こそ、今の神社がある場所。
実はその実が、旭のようにキラキラと輝いていたことから、「旭大神」と呼ばれるようになったそうです。
ご祭神は素盞雄尊(すさのおのみこと)。厄除け・病気平癒・安産・縁結びなど、
さまざまなご利益があると、昔から人々の信仰を集めてきました。
お隣には、縁結びの「若宮八幡宮」も
もうひとつの社殿、若宮八幡宮は天平勝宝六年(754年)ごろに建てられたとされ、
もともとは奈良・東大寺の鎮守「手向山八幡宮」からご分霊されたもの。
水の災いを鎮める神さまとして、また良縁を結び、悪縁を断つ神さまとしても信仰され、
昔から雨乞いや願掛けで訪れる人が後を絶たなかったといいます。
戦乱を越え、祈りの場として
この地には、歴史に名を残す人々の足跡も。
楠木正成やその子・正行が、戦の前に度々この神社に参詣していた記録も残されています。
戦国の時代、正覚寺合戦では将軍・足利義材がこの地で囚われ、
壮絶な戦いの舞台にもなった過去があるのです。
ご神木に包まれて、深呼吸を
現在の場所に旭神社が遷ったのは元禄十二年(1699年)。
その後、明治には周辺の神さまたちを合祀し、今の形となりました。
境内には、大阪府の天然記念物にも指定されている「くす」「いちょう」「むく」の大樹が、
静かに、力強く佇んでいます。
身近で出会える、小さな感動を
お休みの日の朝に。ちょっと気分転換したい昼下がりに。
旭神社と若宮八幡宮は、日常のすぐそばで私たちを迎えてくれる場所です。
光の差す参道を歩きながら、心のなかも少しだけ軽くなる…
そんなやさしい時間を、ぜひ過ごしてみてください。
- 素盞雄尊
- 若宮八幡宮
- 外八柱
- 五穀豊穣
- 諸難除け
- 疫病退散