鼻川神社【大阪市・西淀川区】
静かな淀川のほとりに佇む「鼻川神社」は、西淀川区で長く大切にされてきた、やさしさと物語に満ちた神社です。
神功皇后が立ち寄られたという伝説や、会話を交わさずに行う「無言の神事」など、ほかでは出会えない魅力がたくさん。
「一粒が万倍にも実る」と言われた“万倍の地”としてのご利益もあり、心を整えたいとき、そっと背中を押してくれる場所です。
西淀川区の街歩きに、小さな寄り道を添えてくれる「鼻川神社」で、ふっと息を抜く時間を過ごしてみませんか?
淀川のほとりにたたずむ、やさしい記憶の神社
大阪・西淀川エリアにある「鼻川神社(はながわじんじゃ)」は、
街の喧騒から少しだけ離れて、ほっと心をほどけるような静けさが漂うお社です。
川に近いこの場所は、昔から半農半漁ののどかな土地。
その風景の中に、神功皇后ゆかりの神話が静かに息づいています。
神功皇后が立ち寄られた“鼻のような里”
その昔、神功皇后がこの地に立ち寄られたとき、地元の人々は、
柏の葉に搗きたてのお餅を載せて、野の花を束ねてお供えしたと伝えられています。
それがとても美しく気に入られ、皇后はこの土地に「鼻川(はなかわ)」、
そして川の渡し場を「柏(かしわ)の渡し」と命名されたとか。
このやさしいエピソードを大切に、神功皇后とともに、地元にゆかりある素盞嗚尊(すさのおのみこと)もお祀りして、
「鼻川神社」として大切に守られてきました。
“無言”で受け継がれる、秋の神事
この神社のちょっと珍しい特徴は、秋祭りで行われる「無言の神事」。
氏子の方々が集まり、言葉を交わさずに粛々と神事を進める、とても神聖で静かな儀式です。
調理、献供、祝詞の奉読、そして直会(なおらい)まで、すべてが無言のまま進められ、
神さまへの感謝と敬意がひとつひとつの所作にこめられています。
“万倍の地”としての信仰
承久三年には、五穀豊穣を祈って社殿を改築。
その年は奇跡的な豊作となり、「一粒が万倍にも実る地」として信仰が深まりました。
今も社地は「万倍の地」と呼ばれ、地域の方々から特別な場所として大切にされています。
時代のうねりを超えて、守られてきた神さま
明治時代の淀川改修により社地が移転されたり、
一時は姫嶋神社に合併されてしまったこともありました。
しかし地元の方々の強い思いで、再び独立の神社として復興し、
昭和・平成と再び整備が進められ、今の姿へとつながっています。
日常のなかで、ちょっと一息つける場所
鼻川神社は、地域の方々のあたたかな信仰に守られながら、
今日も静かにそこにあり続けています。
昔話のようなやさしい由緒に触れながら、
日々の合間に、ちょっと心を整えに訪れてみませんか?
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