鴉宮(本宮鴉宮・此花えびす)【大阪市・此花区】
ちょっと不思議で、ちょっとロマンチック。そんな空気をまとった「鴉宮(からすのみや)」は、伝法の街角にひっそりと佇む、歴史深い神社。
三本足の八咫烏(やたがらす)に導かれ、海とともに歩んだ港町の記憶が、今も静かに息づいています。
創建はなんと鎌倉時代。ご祭神には天照大神や住吉大神、えべっさんこと蛭子大神、そして市杵島比売大神などが祀られ、商売繁盛や家内安全、諸願成就など多彩なご利益があるとされています。
此花区ならではの歴史や伝説がたっぷり詰まった鴉宮。日常のなかの小さな寄り道に、ふらっと訪れてみてはいかがでしょうか。
八咫烏が導いた歴史の港町へ。伝法の鴉宮で神秘に触れるお散歩時間
大阪市此花区の伝法エリア。実はこの静かな町には、秀吉公ゆかりの神社がそっと佇んでいるのをご存知ですか?
その名も鴉宮(からすのみや)。三本足の八咫烏(やたがらす)がシンボルの、ちょっぴりミステリアスでロマンあふれる神社なんです。
順徳天皇の時代から。港町の守り神として
鴉宮の起源は、なんと鎌倉時代の前期、1215年(建保3年)。
この地・傳母村(現在の伝法)を開拓した人々が、村と港の繁栄を願って、天照大神・住吉大神・蛭子大神をお祀りしたのが始まりとされています。
八咫烏が導いた、秀吉公の海の旅
時は流れて文禄元年(1592年)。豊臣秀吉が日本海へ渡る重要な出航地として、この傳母の港を選びました。
その旅の安全を祈願するために神主が奉仕すると、神のお告げとともに、三本足の八咫烏が森から現れ、船団の道しるべに!
秀吉はこの奇跡に大感激し、神主を水先奉行に任命。
この伝説が後に鴉宮(からすのみや)という名の由来になったのです。
住吉大神の像には、八咫烏が♡
鴉宮には、ちょっと珍しい彫刻があります。
住吉大神の左手には杖があり、その上には八咫烏がちょこんととまっているのです。
このデザインは全国的にもとても珍しく、ここだけの特別な姿といえます。
伝法の名の由来も、実は秀吉公のおかげ
もともとは「傳母(でんぽう)」と呼ばれていたこの地。
伏見城や天王寺太子堂の普請に際して、地元の船頭たちが法を守って尽力した功績により、「母」の字が「法」へと改められ、「伝法」という地名が生まれました。
今も静かに息づく、港町の記憶
鴉宮は、かつて官幣大社として格式高くまつられ、
大規模な神輿渡御や神事も行われていたそうです。現在はその一部が中断されていますが、地域の人々に深く愛され続けているお社であることに変わりはありません。
都会のすぐそばで出会える、小さな神話と歴史
静かな住宅街に佇む鴉宮。
お買い物帰りや休日のちょっとした街歩きで、ふらっと立ち寄ってみては?
八咫烏が見守るこの神社で、きっと心に残るひとときが過ごせるはずです♡
- 天照皇大神
- 住吉大神(四神)
- 八咫烏
- 蛭子大神(えべっさん)
- 市杵島比売大神(宇賀弁財天)
- 諸願成就
- 商売繁盛
- 家内安全
鴉宮(本宮鴉宮・此花えびす)
阪神なんば線千鳥橋駅下車北西100m