方除けの神さまに会いに、静かな境内へ
大阪・平野区の住宅街にひっそりと佇む「菅原神社」。
地元では“方除(ほうよけ)天神”の名で親しまれ、鬼門を守ってくれる神さまとして信仰されています。
都会のざわめきを少し離れて、心落ち着く時間を過ごせるこの場所は、
忙しい日常のなかで、ふっと立ち寄りたくなるやさしい神社です。
清らかな泉と花に守られて
むかしむかし、このあたりには「神明水」と呼ばれる清らかな泉が湧き出ていたそう。
そこに燕子花(カキツバタ)の花を植え、天照大神をお祀りしたのが、神社のはじまりです。
鬼門を鎮める“方除け”の神さまとして、人々の信仰を集め、
今でも境内の砂を持ち帰ってお守りにする風習が残っています。
道真公が舟をとめた、花のまち
昌泰四年(901年)、菅原道真公が太宰府へ左遷される途中、叔母の住む道明寺を訪ねようと、
大和川を舟で下っていたときのこと。なんと季節外れのカキツバタが満開に咲いていたそう。
その美しさに心を打たれた道真公は、船をとめて花を愛で、
地元の人々とのひとときを名残惜しく過ごされたと伝えられています。
天照大神とともに、道真公をお祀り
その後、京都に北野天満宮が創建されると、この地にも「ぜひ道真公を」と願う声が高まり、
天照大神とともに社殿にお祀りされました。
“郷土を守る産土の神さま”として、また“学問の神さま”として、
今も静かに、けれど力強く地域を見守り続けています。
鞍作(くらつくり)というまちの由来
「鞍作(くらつくり)」という地名からもわかるように、
このあたりは昔、馬具づくりの職人たちが集まって暮らしていたそうです。
神社の名前にも、そんな人々の歴史が息づいています。
気持ちを整える、ふだんのお参りに
少し疲れた日や、気持ちを切り替えたい朝。
方角の災いを祓ってくれる神さまに手を合わせれば、なんだか背筋がすっと伸びる気がします。
駅から少し歩けば、やさしい空気が流れるこの神社に出会えます。
“こころの方位”も、整えてくれるかもしれません。
- 菅原道真公
- 天照大神
- 学業成就
- 厄除け
菅原神社(加美菅原神社・方除天神)
JRおおさか東線新加美駅南へ100m