生根神社(上の天神)【大阪市・西成区】
大阪市西成区にある生根神社は、地元の方々に「上の天神さん」と親しまれる、やさしさと歴史が同居する神社です。
神功皇后の伝説や、黒田藩ゆかりの菅原道真公の信仰が残る境内では、商売繁盛や学業成就などのご利益を願って訪れる人も多く、どこかほっとする空気が漂っています。
都会の喧騒からほんの少し離れ、懐かしい時間が流れるこの神社で、ゆっくりと心を整えるひとときを過ごしてみませんか?西成区のなかでも、ふっと心が軽くなるような場所が、ここにはあります。
玉出のまちに静かに佇む、上の天神さん
大阪・西成区の玉出エリアに、地元の人たちから「上の天神さん」と親しまれている神社があります。
それが生根神社(いくねじんじゃ)。大通りから少し入ったところに、静かに、けれど力強く鎮座しています。
のんびりお散歩しながら、歴史にふれて、心までやわらかくなる…そんなひとときを過ごせる場所です。
海から届いた神さまとともに
この地は、もともと住吉大社の神領だった場所。
かつて、海である「茅海(ちぬのうみ)」に大津波が起こり、西宮から流されてきたえびすさまの御神体が、
この地・勝間の浦にたどり着いたのが、神社の始まりだと伝えられています。
村人たちはその神さまを大切にお祀りし、後に住吉の生根神社から分霊を受けて、
少彦名命を御祭神とする産土神として奉斎されるようになりました。
黒田藩から受け継がれた、天満宮の御神徳
さらに明治初期には、黒田藩の屋敷に祀られていた筑紫天満宮(菅原道真公)をこの地にお迎えし、
「上の天神さん」としての信仰も深まります。
戦災で一度は社殿を失いましたが、地域の人たちの想いと奉賛によって再建され、
今では鉄筋コンクリート造りの立派な社殿が、玉出のまちを見守り続けています。
今も大切に受け継がれる、昔ながらの神事
境内にはかつて樹齢600年と伝わる御神木の楠の根が保存され、「大楠社」として祀られています。
また、毎年7月には、古くから伝わる「だいがく音頭」が境内に響き渡る夏祭りが開催されます。
力強い太鼓の音が鳴り響き、町の人々が集まって神さまへの感謝を捧げます。
無病息災を願う、冬の「こつま南瓜祭り」
もうひとつの見どころは、毎年冬至の日に行われる「こつま南瓜祭り」。
この辺りで江戸時代から育てられてきた「こつま南瓜」にちなんだ神事で、
中風除けや無病息災を祈って、多くの参拝者でにぎわいます。
やさしくあたたかい、暮らしに寄り添う神社らしい行事です。
ちょっと一息、歴史と信仰が息づく玉出の神社へ
都会の中にありながら、どこか懐かしさを感じる「上の天神さん」。
忙しい日々の合間に、ふと立ち寄ると、心がふっと軽くなるような時間が流れています。
四季折々の空気を感じながら、お参りしてみてはいかがでしょうか。
- 少彦名命
- 蛭児命
- 菅原道真公
- 家内安全
- 商売繁盛
- 学業成就
生根神社(上の天神)
南海本線「岸里玉出」玉出方面出口下車3分