津守新田を守ってきた五社大明神 – 元禄から続く津守神社【大阪市・西成区】
津守神社【大阪市・西成区】
大阪市西成区にある津守神社は、交通量の多い新なにわ筋に面して鎮座する、やさしい空気に包まれた神社です。
季節の風を感じながら、心を整えられる場所です。
由緒に伝わる「狸灯篭」は、夜になると不思議な光を放ったという言い伝えも残る、ちょっとユニークな存在。
小さな神社ながらも、地域の歴史や伝説がしっかりと息づいています。
都会の喧騒からほんの少し離れて、深呼吸できるひとときが過ごせる津守神社。西成区を歩くなら、ふらっと立ち寄ってみてはいかがでしょうか。
新なにわ筋沿いで、ちょっとひと息「津守神社」へ
大阪・西成区の津守エリアに、地元の人たちに親しまれている神社があります。
名前は「津守神社」。かつて新田開発でにぎわったこの地域で、静かに地域を見守り続けてきた、やさしい鎮守さまです。
街の音を聞きながらも、ゆったりとした空気に包まれて。
ちょっとだけ日常から離れて心を整える、そんなお出かけにもぴったりな場所です。
始まりは、新しい土地への願いから
津守神社の歴史は、元禄時代にさかのぼります。
元禄11年(1698年)、木津川の河口にできた寄洲(のちの津守新田)の開発を進めていた京都の人・金屋源兵衛が、
新田の守り神として天照大御神や稲荷大神をはじめとする五社の大神をお祀りし、「稲荷神社」と称えたのがはじまりです。
土地の開発と人々の暮らしの安全を願い、神さまを迎え入れて祈りを捧げた…
そんな真摯な想いから、この神社は生まれました。
時代とともに移り変わる、まちと神社
江戸時代から明治、大正、昭和と、津守神社は地域の移り変わりとともに姿を変えながらも、
常に人々の暮らしのそばにありました。
明和のはじめには「五社大明神」とも呼ばれるようになり、明和6年(1769年)には現在の場所へ遷座され、社殿や手水舎、絵馬殿などが整備。
明治4年(1871年)には、今の「津守神社」の名前に改められました。
そして昭和9年(1934年)の関西地方の大風水害で社殿などが大きな被害を受けましたが、大阪府・大阪市や氏子・崇敬者の支えで、昭和11年(1936年)に立派に復興されました。
伝説も残る、津守の「狸灯篭」
由緒には、ちょっとユニークな話も伝わっています。
それが「狸灯篭(たぬきとうろう)」と呼ばれる変化灯篭。
夜になると不思議な光を放ったり、姿が変わるという伝説が残されていて、
今も摂津の名物のひとつとしてひそかに語り継がれています。
もとは白山邸にあった灯篭が、神社に寄進されたものです。
今も変わらず、地域とともに
戦火を免れ、戦後は宗教法人として再出発した津守神社。
氏子や講社のみなさんの支えによって守られ、今でも月次祭やさまざまな行事が丁寧に続けられています。
地域の人たちにとって、生活の中に自然と溶け込む存在。
ふらっとお参りして、心がほっと落ち着く…そんな場所です。
大正時代の古書に残る津守神社【大正の記録】
大正15年(1926年)に出た『大正大阪風土記』にも、津守神社が載っています。
当時の所在地は「津守町東島」。神社が見守る地域は「津守町一円」と書かれていました。
道案内は、南海本線の萩の茶屋駅から西へ1キロ、高野線の津守駅から200メートル。
今は汐見橋駅と岸里玉出駅のあいだを行き来する「汐見橋線」の駅として知られていますが、汐見橋線は通称で、正式な路線名は今も高野線です。
大阪市の資料によると、大正14年(1925年)までは、高野山方面への直通運転はすべて汐見橋駅から発着していたのだとか。
昭和60年(1985年)に岸里玉出駅付近で本線と切り離されるまで、このあたりは高野山へと続く線路の途中でした。
石灯籠が並ぶ石畳の先の拝殿【参拝メモ】
2026年10月に参拝しました。トラックなども行き交う、交通量の多い新なにわ筋に面して鎮座されている神社です。
鳥居をくぐると、拝殿へつながる石畳の両脇に石灯籠が並んでいます。
その間を進むと左手に社務所、そのまま進むと数段の階段があり、上がったところが拝殿です。
拝殿でお参りを済ませ、社務所に戻ってチャイムを。
応答を待ちながら、道路を通る車の音と風の音に、ゆったりとした雰囲気に浸っていました。
何度かチャイムを押してみましたが、反応はなく。
そのまま神社を後にしてしまったのですが、あとで調べると、拝殿の横手には「祖霊社」、その隣には「秋葉大神」と「金比羅大神」をお祀りするお社、さらにその先に「白龍大神」をお祀りするお社と「稲荷社」、さらにさらに社殿の裏手には「産土社」まであったようです。
秋葉大神は火の神、金比羅大神は航海の神、白龍大神は水の神。
産土社には、袴屋や炭屋の人々がお祀りされていて、その前には安永8年(1779年)の狛犬もいるのだとか。
しっかりいろいろ見逃してしまって、お参りもできず。
いつか再び伺う際には、と思っています。
近くに来たら、ぜひ足を運んでみて
車の行き交う大通りに面していながら、どこか懐かしくて、やさしい空気に包まれた津守神社。
お散歩ついでにふと立ち寄れば、少しだけ時間がゆっくり流れるような気持ちになります。
木々の緑に囲まれた境内で、深呼吸。
今日の疲れをそっと癒してくれる、そんな小さな神社です。
- 天照大御神
- 稲荷大神
- 大歳大神
- 住吉大神
- 綿津見大神
- 除災招福
- 寿命恒久
- 商業繁昌
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