歴史の風が心地いい、阿部野神社さんぽ
天王寺エリアから少し歩いた先に、静かに佇む「阿部野神社」。
梅の花や鳥の声に包まれながら歩いていると、ふと訪れたくなる、そんな神社です。
都会の中にありながら、境内は落ち着いた空気に満ちていて、心がふっと軽くなるような場所。
お散歩ついでに、歴史と自然の息づく空間で、ちょっとひと息ついてみませんか?
若き武将と、その父への想いを今に伝えて
阿部野神社は、南北朝時代の名将・北畠顕家(きたばたけ あきいえ)公と、父であり学者でもあった親房(ちかふさ)公をお祀りする神社です。
顕家公は、なんと21歳という若さで戦に散った悲劇の武将。
その最期の地が、まさにこの阿倍野の地でした。
父・親房公は、南朝の重鎮として政治や文化の中心人物でもあり、数々の重要な書物を残しています。
その父子を偲び、明治時代に創建されたのが、この阿部野神社です。
境内には“願いがひとつ叶う”お宮も
阿部野神社の境内には、ちょっと気になる小さなお宮もいくつかあります。
たとえば、「一願一遂(いちがんいっすい)の宮」と呼ばれる御魂振之宮。
ここでは、「ひとつだけ、大切な願いごとを叶えてください」と心を込めてお参りされる方が多いそう。
そのほかにも、芸事の上達を願う「旗上芸能稲荷社」や、商売繁盛を祈る「旗上稲荷社」など、
願いに寄り添ってくれるようなお宮がいくつもあるのも、この神社の魅力です。
静けさと誇りを今に伝える場所
阿部野神社は、「建武中興十五社」と呼ばれる、歴史的に由緒ある神社のひとつ。
時代を超えて語り継がれる英雄たちの魂が、今もこの場所に息づいています。
神社の近くには、顕家公の御墓所も残されていて、春には桜、秋には紅葉が彩りを添えてくれます。
ちょっと立ち寄ってみたくなる阿倍野の歴史スポット
カフェ巡りの途中に、歴史の風を感じる阿部野神社で深呼吸。
都会の喧騒から少しだけ離れて、心が静かになる時間を過ごしてみませんか?
ひとつ願いを胸に、そっと手を合わせる。
そんなひとときが、きっと明日への力をくれるはずです。
- 北畠親房公
- 北畠顕家公
- 学業成就
- 知徳賦与
- 義勇向上
阿部野神社
南海本線「岸里玉出駅」下車、東へ徒歩約5分
南海高野線「帝塚山駅」下車、北へ徒歩10分