天満宮(天神ノ森天満宮)【大阪市・西成区】
大阪市西成区の岸里・天下茶屋エリアの町角に、やさしく佇む「天神ノ森天満宮」。
学問成就や安産祈願のご利益があると伝えられ、地元では「子安天満宮」と呼ばれ親しまれてきました。
かつて茶人・武野紹鷗が暮らし、豊臣秀吉もその景色を愛したという、風情と歴史がつまった場所です。
にぎやかなまちのすぐそばに、ふと心が整う静けさを感じられる神社。
四季折々の空気にふれながら、あなたの願いをそっと託してみませんか?
岸里・天下茶屋エリアのまち角に、やさしく佇む「天満宮」へ
大阪の岸里・天下茶屋エリアの落ち着いた住宅街を歩いていると、ふと現れる静かな森のような空間。
そこにそっと佇むのが、地元の人から「子安天満宮」とも呼ばれて親しまれる天満宮です。
緑豊かな境内は、ちょっと足を踏み入れるだけで気持ちがすっと整うような、穏やかな時間が流れる場所。
日常の中の“ちいさな非日常”を感じに、立ち寄ってみたくなる神社です。
茶の湯の達人が愛した、学問と安産の神さま
この天満宮の由緒は、応永年間(14世紀後半)に京都・北野天満宮から御分霊をお迎えしたのが始まりとされています。
また、この場所は茶人として有名な武野紹鷗(たけのじょうおう)がかつて暮らした地でもあり、彼が敬愛した天満宮をこの地に奉斎したとも言い伝えられています。
「紹鷗杜(じょうおうのもり)」とも呼ばれる樟の杜は、今もその名残を感じさせる静けさをまとっています。
秀吉も立ち寄った、美しい風景と名水の地
豊臣秀吉が堺へ向かう道すがら、この天満宮のあたりで輿を止め、風景を楽しみお茶を召し上がった…
そんなエピソードが、今の「天下茶屋」という地名の由来になっているのだとか。
子安石にそっと手を合わせて
境内の老樟の下には「子安石(こやすいし)」と呼ばれる霊石があり、安産祈願のご利益があると知られています。
淀君が秀頼公を懐妊された際にも、ここで安産祈願をされ、無事出産されたというお話が残っているほど。
時代を超えて受け継がれる、まちの記憶
その昔、社地は一町四方と神田を賜るほどの広さを誇っていたものの、大阪の陣後には一部を失い、現在の地へ。
とはいえ、元禄十五年(1702年)に建てられた本殿は今も大切に残されており、歴史の深さを感じさせてくれます。
また境内は、大阪府指定の史跡・名勝・天然記念物でもあり、まるで時間がゆっくりと流れるような空気が漂っています。
都会のまんなかで深呼吸
すぐ近くには電車が走るにぎやかな通りもありますが、一歩境内に入るとそこはまるで別世界。
四季折々の木々に囲まれ、鳥の声が響くこの空間で、日常の喧騒をひととき忘れてみませんか?
朝の散歩の途中に、夕暮れのお出かけついでに。
学問の神さまと、やさしい木々が迎えてくれる場所、それが天下茶屋の天満宮です。
- 菅原道真公
- 学業成就
- 安産守護